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写真を撮ること

by ogura nana

わたしは我儘で少し寂しがりや。物心ついた時には両親が働いていて、幼稚園のバスのお迎えにママが来ないことが凄く寂しくて嫌だった、だから朝バスに乗る時は毎日毎日ママと離れるのが嫌で大泣きした。ママを困らせたら家に連れて帰ってもらえるんじゃないかと思って大泣きした。

家族で出かけたこともほとんどなくて、ピクニックやディズニーランド、ショッピングやドライブ。周りの友達が家族で出かけているのを羨ましく思った。私には特別なことすぎて、現実にはやってこなかった。家族みんなでお出かけした記憶は写真だけ、私の中には存在しない。

両親は美容師で、その仕事にやりがいを凄く感じていて、1年に数回しか休まないけどそれなりに楽しそうに働いてる。それがもう彼らの人生の一部なんだと思う。

パパは私によく「好きなことを好きなだけやりなさい、パパが一生懸命働くから、ちゃんと好きなことをやり続けなさい」そう言ってくれる。そう言い続けてくれたから、きっと、仕事中心で家族で出かけたりなんて出来なかったけど、両親を恨んだり反発したりしなかった。私の人生が今は彼らの人生でもあるのだと思う。

そして、パパがそう言い続けてくれたから、私は好きなことを一生懸命探し続けて、溢れちゃうくらい好きなことを見つけた。だから今でも「好きなことを好きなだけ」貫き通す我儘な人間になれた。クリエイティブな家族の中で生きてきたから、どんな流れに逆らって歩いて自分をもっていれば大丈夫だよって自然に教わった。

私が写真を撮り続けたいと強く思うのはきっと、家族みんなで出かけた、私の記憶にはない景色がちゃんと残ってて、それを見て嬉しく、記憶がないのに懐かしく感じたから。

寂しがりやで、我儘だから私、全部全部残しておきたい。その日の空気や光の強さ、話したことから見たものまで、そんな記憶が蘇るような一瞬を残しておきたくて写真を撮るんだと思う。

こんなだから私、出かけるってなったらワクワクしちゃう。ひとり旅のワクワクとは全然違うんだね。私にとっては特別で、特別で夢のようなこと。

当たり前のように過ぎていくから、夢なんじゃかいかって疑いたくなる。そんな現実に生きていることが、時に穏やかに居心地よく感じる。


ogura nana
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